【NEWS】お寺で上映会があるというので行ってみたら、いろいろ考えさせられた &短編ドキュメンタリー映画『がん家族。』に泣けた…話【現在YouTubeで期間限定上映中‼】

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なぜ江戸川区春江町城立寺まで行ったのか

 10月20日、江戸川区春江町にある城立寺というお寺にて短編映画の上映会がある、と聞いて、行ってきました。

 自分は、普段東京の西の方、南の方にしかおらず、東京の東の方にはほとんど行かないので、土地勘もなく、ほぼ知らないエリアです。が、『テクテクライフ』塗り活にもなるので、せっかくだから行ってみようかな? ということと、じつは今回城立寺で上映される短編ドキュメンタリー映画『がん家族。』の監督の酒井たえこさんには、以前とある仕事でお世話になったことがあり、様子を見にいってみようかな、というのが動機でした。

 酒井さんは、普段は大阪でがん患者を看病されている方をサポートをするお仕事をされている方で、がん家族セラピストというお仕事をされています。”がん家族”のサポートをするMon amiという団体の代表を務めていて、本を執筆されたり、講演をされたりもしています。

 でも、その方がなぜ自分で映画を作ったのか? しかも、なんと、自分がふだん仕事としているがん家族のケアをしながら、その様子を自分で映像に撮って、自分で編集もしている、というのは、一体どういうことなのか? 自分はとても気になっていました。そのことについてちゃんと知りたい、というのがじつはいちばん大きな理由でした。

 …なのですが、という話はさておき、クルマで中央道から首都高に入って、7号・小松川線へ。一之江出口で降りると、そこからは意外にすぐに目的地・城立寺に到着しました!

日蓮宗本高山城立寺は素敵なお寺でした!

 城立寺は住宅地の中にあり、まわりにはあまり大きな建物がなく、天気もよかったので、青空に映える門と境内がすぐに目に入りました。

 まっすぐな参道が見えます。気持ちいいですね~。門をくぐって、境内へ進む前に、「城立寺」について説明が書かれた看板がありました。

城立寺の看板に書かれた内容

城立寺(じょうりゅうじ)

 日蓮宗で本高山(ほんこうさん)と号し、千葉県松戸市平賀にある本土寺の末寺です。この地の開拓者田島図書(ずしょ)が開基となりました。寛永五年(1628)のことでした。境内には鬼子母神像を祀るお堂があります。

■田島図書の墓(江戸川区登録史跡)

 田島図書は、一之江新田の開拓者で一之江名主屋敷の田島家の先祖です。田島家に伝わる口伝によると、図書はもと豊臣方の家臣で掘田図書盛重と名のっていましたが、関が原合戦後逃れて西一之江村大杉の田島庄兵衛方に寄寓、田島図書英丈と名をかえて開拓を進め、この地の草分けとなりました。図書は当寺の開基として「正善院日慶」と号し、寛永二〇年(1663)一二月二五日に没しました。墓は墓地中央、釈迦如来坐像の後にあり、笠付きのもので、「妙法正善院日慶」の法名が刻まれています。

■石造釈迦如来坐像(江戸川区登録有形文化財)

 寛文三年(1663)大工三衛門の作で、台座を含め、3メートル余りある一石丸彫りの石仏です。台座の銘文によると、田島家の八郎兵衛尉重信が祖先の菩提と衆生の利益のために建立、寄進したとあります。彫りもよく表情ゆたかな仏像です。

(※編集部にて縦書きの文章を横書きに表記したので、部分的に漢数字を数字に書き換えるなどの修正をしています)

 …だそうです。

石造釈迦如来坐像(江戸川区登録有形文化財) はこちら
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e_bunkazai/bunkazai/toroku/004.html

 参道を進むと、左手に…

 慈母観世音菩薩像がありました。また、その近くの反対側に…

案内を貼りだすボードがあり、 

 20日(水) 二時 お会式 本堂
 法要終了後 三時より 映画上映 本堂にて

としっかり書かれていました!

 また参道の反対側にも…

 映画上映会の案内状(パンフレット?)を見つけました!

 なお、こちらの城立寺の本堂の向かって右には、鬼子母神堂(尊神堂)があり、そこには伝教大師最澄作の鬼子母神像が祀られているそうです。すごっ!!

 その手前には「竜鳴水」と書かれた水鉢がありました。

 こちらには、平成18年にセンサーが取り付けれたそうで、竜の口元に手をかざすと水が出るそうです! なんか自由でいいですね。カッコイイ。

 個人的には、こじんまりしつつも、手入れのよく行き届いた植木や庭がとても素敵だなあ、と思いました。なんか、心地いいんです。いるだけでも十分に。お寺すごい。

 とくに…

 これらの松の枝がひさしのように長く平らに伸ばしてあって、すごい…。気長に、かつ丁寧に枝を扱わないと、こんなふうにうまくきれいには伸びなさそう…。神業っていうか、さすが神様です。

 と、お寺の話ばかりしてましたが、自分は日蓮宗ではないので、全然詳しくなかったのですが、この日10月20日はお会式という、大きなイベント(法要)があり、その法要の後で、檀家の方々に楽しんでもらうように、と上映会が企画されたようです(檀家以外の方が観てもOKだそうです!)。

 また、お寺のHPによると、24時間誰でも(檀家さん以外も)入れるように門も開けてあるんだそうです。開かれたお寺なんだなあ。

 ちなみに、城立寺のご住職の方は、なんと元々かなり大きな仕事をされていたデザイナーの方で、かつ副住職の方も、このような柔軟なインベント等を普段からいろいろと企画されているようです。ですが、映画等を上映するのは今回が初めて、とのことでした。

『がん家族。』の上映会は大盛況でした!!

 法要のあと、参列されていた方々や映画を見ようという方々が本堂の奥の部屋に続々とやってきました。

 こちらの椅子はすぐに一杯になり、あとから追加されていました。(ここより後ろにも席はありました)

 上映に先立ち、お菓子が配られました。

 筆者もいただいてしまいました(ちなみにこちらのかりんとうまんじゅう、激ウマでした)!!

 新小岩名物と書かれており、葛飾区新小岩にある「ちぐさ」という和菓子屋さんのお菓子のようです。

・新小岩 ちぐさ(和菓子屋)
https://chigusa.jp.net/

 副住職の方のお話によると、じつは法要に参加された人数よりも上映会に参加された方の方が多かったそうです。

 そんな中、副住職の方からこの映画『がん家族。』を作られた酒井たえこ監督の紹介があり、酒井監督が挨拶をされたあと、上映が始まりました。

短編映画『がん家族。』とは…⁉

 『がん家族。』は、大阪に住む、2組のがん家族を114日間にわって取材・撮影し、それぞれの家族の日常をエピソード1エピソード2に分けて編集し、2本の短編映画として制作したドキュメンタリー

 それぞれのエピソードは、環境も事情も異なりつつ、日常の仕事を行ったり、自分自身や自分の家族との生活を持ちながら、がんになった親の介護や面倒を見る、がん家族の日常がモザイクのように切り取られていきます。

 そこには、監督自らが言うように、フィクションらしいドラマはないけれど、生のままの生活者のリアリティの中に、不安や悩み、笑い、喜びなど、普通の人間の日常にある感情や営みが描かれています。そこには、まさにがん患者とその周囲の人たちの素の生活 ──普通の生活――がありました。

 しかも、がん家族セラピストの酒井たえこさんが、実際にご自分の仕事としてケアをされている、がん患者の看病をされているご家族の様子、やりとりを撮影し、また、その膨大な映像を自分で編集し、それぞれ約30分の短編映画にまとめられている、というのが超驚きポイントです。がん家族のケア、サポートを仕事としてされながら、撮影・編集・監督の作業すべてこなし、さらに制作にまつわる様々なことも、されているわけです…。

 なお、10月19日~28日10日間期間限定で一般公開中なので、無料で映画を観ることができるとのこと!!(YouTubeで観られるのは5日間限定で、10月23日まで!!)

『がん家族。』追加一般公開中!!(無料)


10月19日~23日(5日間)

<公開場所>YouTube
YouTubeエピソード①コチラ
YouTubeエピソード②コチラ

10月24日~28日(5日間)

<公開場所>かなやTube
かなやTubeコチラ

 ということで、以下に現在一般公開中のYouTubeの映像を貼っておきます!! 10月23日までしか観られないので、ぜひみなさん、早めに観てください!!

 そして見た人はよくわかると思うんですが、この映画の最後に流れるエンディング曲、『舞い上がれ、桜の雨』(magcafe at garden)がめっちゃいいので、ぜひ最後まで観て、この曲を聴いてほしいなあ、と思います(マジ)。

エピソード1 はこちら(YouTube)

エピソード はこちら(YouTube)

 ちなみに、このエンディング曲を提供しているmagcafe at gardenさんは新曲「SAKURA」のリリース記念ライブが11月5日(金)にあるそうです。

・11/5金18:30〜渋谷 新アルバムリリースライブ‼️ 声優あまみや七音さん、勝沼紀義さん 新作オーディオドラマの生朗読も
https://www.magical-cafe.net/posts/21844268

 気なった方は上記リンクを参照してください。


・『がん家族。』公式サイト
https://eigagankazoku.jimdofree.com/

城立寺の公式サイト

https://www.tsubakijoryuji.com/
※とてもすてきなWebサイトでした! さすがご住職が元デザイナー!!

・城立寺 詳細ページ
https://www.tsubakijoryuji.com/%e5%9f%8e%e7%ab%8b%e5%af%ba-2/

本高山城立寺の場所はこちら

舞い上がれ、桜の雨」(YouTube)

結局何が言いたいのかというと…(おまけ)

 じつは自分も数ヶ月前に父をがんで亡くしたばかりで、余計興味が湧いたというところもありました。ただ、父は亡くなる約1カ月前に入院するまで本当に元気で、それまで何の看病も必要ありませんでした。また入院したタイミングは、コロナ禍の真っただ中で面会もできず…。だったので、まったくもって、自分は、がん家族ではなかったのです。

 その一方で、父は10年くらい前から、がん患者にはなっていました。抗がん剤やら放射線治療やら大きな手術やら入院は何回も経験していて、そのたびに元気に復活していましたが、がんのことについても本人と何度も話をしたし、そのころはお見舞いや付添いにも行きました。がんになった父についていろいろなことを考えたりもしてきました。つまり、この10年くらいの期間、がんは日常の中に普通にありました

 その部分について、とても共鳴したし、がん患者を家族に持った経験がない人にはその感覚が全然想像できないだろうな、とも感じました。そういう意味で、とても貴重な作品だと思います。

 とはいえ、決して暗い作品ではなく、本当に普通の日常を描いた作品なんです。特別にドラマチックなことがあるわけでもない。そのことが余計リアルな感情や、家族の記憶、自分自身の中の根深いところにある考え方などを刺激してきたり、呼び覚ましてきたりするのです。

 でも、自分を刺激してくるシーンや、呼び覚まされる内なるポイントは、きっと観る人によって、まったく違うのではないかな、と思います。なので、観た人それぞれが全く違う反応や感想を持つ映画なのではないかな、と思うのです。そこが作品として、とても興味深いところじゃないか、と感じました。

 また、この映画は、映画制作については素人(酒井監督、失礼!)である、またほかの仕事もしてらっしゃる酒井さんが、ご自分の仕事についての映像を仕事をしながら撮影している、というユニークな撮影方法で撮られていて、それをご自分で編集までしているという成り立ちにも、とても注目してしまいます。自分は、知り合いだから、ということもありますが、それ以上に、多くの人が「えっ、それってどういうこと?」って思うんじゃないかな。(ちなみにクラウドファンディングで資金も調達されています)

 でも、その一方で、酒井さんがすごいのは、「プロが撮ったみたいな映像は求めないし、そういうことがしたいんじゃない!」ということにブレずに、酒井さんにしか撮れない、作れないものを、しっかり貫いた、ということ(これはご本人からもお聞きしました)。

 そうやって生み出された映像の力、作品の魅力が、結局は、いろんな人を揺さぶり、巻き込んでいき、音響やら音楽やらナレーションやらオープニングやら英語版の翻訳やら… と、多くのプロや才能ある方々がこの作品の参加され、完成に向けての作業にも協力し、しっかり映画としてより完成度の高いものになっている、ということ。そのことにも注目せざるを得ないです…。

 「映画」というものについても、もしかしたら「がん家族」以上に考えさせてくれる。もしかしたら、何かを作ること、何かを伝えようとすることについて、考えてしまう、そんなとんでもない映画だと思うのです。

 自分は、ひさしぶりに、言い古されている言葉ですが、「為せば成る」(=為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」 )という真理を、ガツーン!という衝撃とともに、痛切に思い出しました。

 そういう意味で、自分はとても多くの何かを、勇気とかやる気とか陳腐な言葉では言えないいろんなものを受け取ってしまったな、と思った次第で、じつはだから、こんな記事を書いてしまっている、というわけなんです。ほかにもまだまだ言いたいことがありますが、長くなるから、このへんで…。(お寺での上映ということについては、また今度…)

 ちなみに映画を観ると…

 こんな素敵な映画を観た記念の御朱印をいただくことができました!! 副住職さん、達筆すぎる!! 

 しかも、一枚一枚墨の色とか、細かいデザインとか、少しずつ変えてあったりしたみたいで、すごいサービス精神だなあ、と感心しました!! これってガチャじゃん!! っていうか、エンタメですね。

 あ、『テクテクライフ』の塗り活のことは1ミリも書けなかった…w

関連情報

・日蓮宗 公式サイト
https://www.nichiren.or.jp/buddhism/
※仏教についてもわかりやすく書かれています。

・magcafe at garden 公式サイト
https://www.magical-cafe.net/