【オヤジでもわかるゲームな話(アーカイブ64)】 小島秀夫監督最新作!『DEATH STRANDING』はかつてないゲーム体験ができる、超革新的なSF大作ゲームだ!(2019年11月)
一人の男の孤独な作業が分断された人々や世界をつなげていく!
※この記事は、東京中日スポーツさんにて連載していた「オヤジでもわかるゲームな話」の原稿を元に加筆や修正を行い、再掲載するものです。
ソニー・インタラクティブエンタイテインメント(以下SIE)は、2019年11月8日プレイステーション4用ゲームソフト『DEATH STRANDING』を発売した。
この『DEATH STRANDING』(以下『デススト』)は、『ポリスノーツ』、『SNATCHER』や『メタルギアソリッド』(MGS))シリーズなど数々の名作を生みだした、世界的な人気を誇るゲームデザイナー小島秀夫氏(小島監督)が率いるコジマプロダクションが開発を担当した新作ゲームだ。
小島監督は、2015年にKONAMIを退社し、新会社コジマプロダクションを設立。『デススト』は、そのコジマプロダクションが初めて開発する作品として、2016年のE3(ロサンゼルスで開催される世界最大規模のゲームイベント)で発表され、以来世界中のゲ-ムファンやゲームメディアが注目をしていた作品だ。
特殊な体質を持つ主人公サム・ブリッジズ(アメリカ人俳優のノーマン・リーダスが演じている)が、“デス・ストランディング”という大事件(現象)によって分断されてしまった世界で、たった一人で荷物や物資を運び、交通や通信を復旧させ、都市や人々をつなげていく、という内容。人物の造形や表情のリアルさ、地面や岩、川などの地形・地表のリアルさはかつてゲームの世界で表現されたことがないレベルのクオリティーだ。また、荷物を背中に積みすぎるとよろけたり、バランスをとらないと倒れたりするし、川で体勢を崩されると荷物も流されてしまうなど、ポーターとして荷物を背負って移動すること自体が、サバイバルであり、アドベンチャー的な体験そのものになっている。ジャンルとしてはアクションゲームだが、『デススト』がもたらすゲーム体験は、その他のゲームとは一線を画するほど、独特なものだ。
たとえば、梯子(横に置けば橋にもなる)やロープを思い思いの場所に設置して、難所や急流、崖を越えたり、敵に襲われて失った荷物を取り返したり、時雨(タイム・フォール)という特殊な雨によって劣化してしまう荷物を守るために雨宿りをしたりしながら、目的地を目指して移動をしていく。従来であれば、イベントが起きる場所へキャラクターを動かす行為にすぎなかった3Dゲームにおける、ただの”移動”という行為がまさにゲームそのものになっている。移動そのものが3Dになり、物理的に処理されているため、苦労して超えた山の向こうに目的地の町が見えてきたりすると、純粋に喜びがこみ上げ、子供の時のような気持ちになって、思わず走りだしてしまったりする自分がいる(斜面だったりすると思わず転んで荷物をぶちまけたりするのだが、それくらい純粋にやっと見えてきた街が嬉しかったりするのだ!)。
また、自分が設置した梯子やロープが、ほかのゲーム内の人々やこの『デススト』をプレイする世界中のプレイヤーから“いいね”がついて評価されたりもする。あるいは、やっとたどり着いた目的地の手前に、ほかのプレイヤーが“お疲れ様”というような看板を立ててねぎらってくれたりする。
ゲーム内で、サムは人と人を結びつけ、都市と都市をつなぎ、カイラル通信網を復活させて、物資だけではなく、世界で何が起きているのかを共有し、世界をつなげていく。と同時に、遊んでいるプレイヤー同士もこの『デススト』の世界で、助けたり、教えたり、励ましたり…と、やさしく細やかにつながっていく…。
一方で、この『デススト』の世界では、人間の遺体を焼却しないとBT(たとえるなら亡霊のようなもの)化し、対消滅という爆発が起き、都市が壊滅するなど、SF的な設定や科学的な謎にも満ちている。また、時雨が当たった場所は時間を進めてしまったり、この世とあの世をつなぐビーチという境界を使って通信を行うなど、人々の生や死などの概念もSF的な設定の中で扱われる。そのような世界観や設定は映画的かつ文学的に表現されているように、『デススト』の中には哲学的な問いかけも満ちている。一方、その世界の謎や人物たちの思惑が、ゲームを進行したり、ミッションをこなすモチベーションにもつながっていく。
そのようなゲーム体験をしながら、(ゲーム的にはこなす必要があるのだが)敵を倒したり、他者に勝利することが真の目的ではなく、一見地味にも見えるような孤独な地道な作業が人々を救い、未来を作っていく…そのことこそが重要ではないのか? そんなことを考えたり、サムの孤独や苦労や勇気に共感したりしていく…。大げさに言えば “人間の尊厳”や“ゲームすることの意味” をプレイヤーが無意識のうちに考えているような、深みのあるゲームなのだ。が、一方で主人公サムの大・小の排出物がそのまま兵器になったり(!)、アメリカ人女優のリンゼイ・ワグナーが若い頃の姿で出演していたり…、温泉ではじつは混浴ができたり…(笑)、小島監督作品に登場する小型のロボットが登場したり…、というような小ネタもそこかしこに仕込んであり、まさに(真の意味で)、ゲームでしか体験できない、極上のエンターテイメントというべき作品に仕上がっている。だからこそ、人生経験が豊富で、ありきたりの作品には飽きているようなオヤジたちにこそおススメしたいゲームなのだ!
小島秀夫 監督とは?
コジマプロダクション代表。大の映画好きとしても知られ、ゲーム業界やファンからは「小島監督」と呼ばれている。主な作品に『メタルギア』、『スナッチャー』、『ポリスノーツ』などがある。’98年PSで発売された『メタルギアソリッド(MGS)』がシリーズ化され、世界中で大人気に。2015年末コジマプロダクションを設立し、『DEATH STRANDING』を開発した。先日ツイッターとInstagramのフォロワー数が最も多いゲームディレクターとしてギネス世界記録に認定された。
物語を彩る登場人物たち
ゲーム画面を見ながら内容を紹介!
ジャンル:アクション
対応機種:PlayStationⓇ4、PlayStationⓇ4 Pro
発売日 :発売中
価格 :■Blu-ray Disc版
通常版 希望小売価格6900円+税
スペシャルエディション 希望小売価格7900円+税
コレクターズエディション 希望小売価格20900円+税
※スペシャルエディションとコレクターズエディションは数量限定商品。
■ダウンロード版
通常版 販売価格7590円(税込)
デジタルデラックスエディション 販売価格9790円(税込)
CERO :D(17才以上)
開発元 :株式会社コジマプロダクション
販売元 :株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
権利表記:©2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
©2019 Sony Interactive Entertainment Inc.
Created and Developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
ゲーム好き、野球好き、ロック好き、餃子とビールとカレーも好き、ハナペンマンです。
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ディスカッション
コメント一覧
とても、気になるソフトなんですよね。
でも、ちょっと難易度が高そうです。
中古で値段が落ち着いたら、買うと思います!
コメントありがとです。PS Storeでセールを狙うのも手かも、ですねー。