シーマン20周年! ユカイ工学×シーマン研究所の新プロジェクト発表!

2019-12-06NEWS,ゲームレジェンド,行ってきた

1999年7月29日、そのゲームは発売された。

ドリームキャストで発売され、水槽に見立てたモニターの中で、卵から生物を育てていくとやがて水槽の中で人(とくに、一般的日本人)によく似た顔を持つ魚に育った怪しい生物が、「お前、何見てんだよ」とか「お前、仕事は何やってんの?」とか(水槽の温度が「アツいよ、お前、俺を殺す気か」とか、逆にプレイヤーに話しけたり、干渉してくるという、奇妙なそのゲームのタイトルは『シーマン ~禁断のペット~ 』。(※ちなみに対応機種は、最後のセガの家庭用ゲーム機で、自虐ネタや湯川専務が登場するCMが話題となったドリームキャストだった)

そのゲームの発売から20年(と1日)の7月30日、都内・渋谷の某イベントスペースにて、その『シーマン』の開発者・斎藤由多加氏が現在代表を務める、シーマン人工知能研究所と、BOCCOQOOBOなどのユニークな家庭用ロボットなどを開発するユカイ工学による、共同発表会(イベント)が開催された。

『シーマン』の開発者・斎藤由多加氏は、現在シーマン人工知能研究所で、AIによる日本語の会話エンジンの開発を手掛けており、その日本語会話エンジンのノウハウを活かした独自の「ロボット言語」による会話エンジンを、ユカイ工学の新製品ロボットであるBOCCO emo に搭載すること、そしてその会話エンジンを両社が共同で開発すること、を発表。さらに、シーマン人工知能研究所が開発する「日本語会話生成エンジン」の代理店販売事業をユカイ工学が行う、ということも発表された。

発表会(イベント)は、斎藤由多加氏の『シーマン』の発売当時の映像や、その後のムーブメント映像を織り交ぜたプレゼンで始まり、その後、現在の開発中のAIによる会話のデモンストレーションも行われた。AIと斎藤由多加氏の掛け合い漫才のような会話のやりとりにより、会場にたびたび笑いが起き、訪れた人たちを沸かせていた。


また、ユカイ工学の代表取締社長・青木俊介氏による、新商品Bocco emoの説明があり、Booco emoに搭載される「ロボット言語」が「共感」をキーワードにしたもので、ロボット言語そのものは日本語ではないものの、独自の体系をもったもので、慣れてくると感情などが読み取れるものになる、とのこと。

さらに、2020年にリリース予定の「日本語会話生成エンジン」は、従来の音声認識を使った情報のやりとりというものではなく、双方向性があり、パーソナルな過去の記憶を踏まえて、会話の相手に寄り添うようなものであることも説明された。

斎藤氏、青木氏のプレゼンテーションのあとには、角川アスキー総合研究所の主席研究員で、デジタルガジェットやAIにも詳しい遠藤諭氏を交えてのトークセッションと、シーマン20周年を祝っての懇親会が行われ、お酒や料理も振舞われた。

とあるゲームから始まった、日本語の会話システムが、AI時代・ロボット時代に向けて再び脚光を浴び、さらなる進化を遂げて、20年前とは違う形で、近い将来家庭に入り込んでいく(ことになる)ことは、たいへん興味深く、いちゲームファンとしても感慨深い。

また、日本のモノづくりやエンタメにも、さらには少子高齢化が進み日本の社会のあり方にも、少なからず影響を与えそうな予感がした。(っていうか、タダでビールが飲めて、おいしい料理が食べられるなんて、最高! あと、新会話エンジン搭載の「シーマン」最新作も開発されるといいなあ、と思った)

っていうわけで、シーマン20周年、おめでとう! でした。