【NEWS】TGS前夜に東京・秋葉原で”スペインゲーム祭”大開催!! 200人超の日西ゲーム業界人が大集結したアツい夜!! 大島直人氏や時田貴司氏も登壇!! #スペインゲーム祭

2023-08-15NEWS,イベント,インディーゲーム,ゲームレジェンド,ゲーム会社,家庭用ゲーム,東京ゲームショウ,行ってきた

日本ゲーム界のVIPたちも多数参加!! TGS前夜祭!? スペインゲーム祭!!

 東京ゲームショウ2022(TGS2022)への”Games from SPAIN”として出展するため、多くのスペインゲーム企業が久しぶりに来日。そのタイミングに合わせて、日西ゲーム業界の交流を目的としたネットワーキングイベント”スペインゲーム祭(まつり) が9月14日の夜、東京・秋葉原P.A.R.M.S.で開催された。

 この大掛かりなイベントを主催したのは、スペイン貿易投資庁(ICEX=日本の「ジェトロ」のような組織とのこと)と駐日スペイン大使館経済商務部。東京ゲームショウにも出展する多くのスペイン企業とインディー選考で選ばれたインディーゲーム制作チームなど、約10社が参加した。

 また、日本のゲーム業界からも多数のゲーム業界人が参加し、会場は開演前から熱気に包まれていたが、ステージがライトアップされ、ノリのよい音楽が流れて、司会の矢内景子氏が登場すると、一気に会場のボルテージが上昇!

 矢内氏から、今回の主催である駐日スペイン大使館経済商務部 参事官のフェルナンド・エルナンデス氏と文化産業担当 金関あさ氏が紹介されるとともに、二人がゆっくりと登壇し、来場者へのあいさつと「スペインゲーム祭」の開会の宣言が行われた。

 フェルナンド・エルナンデス氏は、最初に日本語で「みなさま、こんばんは」と話しかけ、その後は英語で、

「このような会に、みなさんご参加くださり、ありがとうございます。東京ゲームショウには、何回か参加してきましたけれど、パンデミックの間の2年かは参加できず、今年は久しぶりにスペインから11社が参加できますことをうれしく思います。来日した11社おりますので、皆様とぜひ交流を下頂きたいと思いまして、このような会を催させていただきました。是非今日は、スペインのクリエイターたちと、活発に交流なさっていただけたら、と思います。スペインの政府は、ゲームだけではなく、オーディオ・ビジュア分野で、ヨーロッパにおける映像のハブ国として、企業と企業の共同制作に力を入れておりますので、ご関心のある方は、ぜひ私たちの経済商務部にお声がけください」

 というスピーチを行い、隣の金関氏が日本語に通訳した。

  続いて、日本のゲーム業界から、スペインでも大人気の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のキャラクター、ソニックのデザイナーとしても有名な、株式会社ARZEST 代表取締役社長 大島直人氏が登場。

 大島氏は「ソニックは日本よりも海外で人気」という話を披露しつつ、「スペインのことはあまり詳しくないが、ぜひ行ってみたい」と語り、「今日はぜひスペイン語で乾杯をやりたいと思います」と述べた。

 直後にスペイン語の「サル―」という乾杯の発声とともに、多くの来場者も「サル―!」とドリンクを高く掲げ、会場は熱気に包まれていた。

スペインゲーム市場についてのプレゼンも!! 

 続いて、スペイン人で、日本にオフィスを構えるゲーム会社 合同会社 SHINYUDEN 代表のルイス・ガルシア氏、スペイン企業のアンコーダーズダビッド・ジャウマンドレウ氏が登壇し、スペインゲーム市場の市場の規模、プレゼンを行った。過去数年間の市場の伸び、パッケージ版とデジタル版(ダウンロード版)の比率、スペイン産のゲームなど、について日本語でも説明がなされた。

 日本のゲーム関係者にとっても、2021年の市場規模が18億ユーロ(約2600億円)であることなど、スペインのゲーム事情についての話は新鮮だったようで、ステージを見ながら話に聞き入っている人が多かった印象だ。

 

スペイン企業10社がピッチで自社タイトルや商品を紹介!! スペインのゲームクリエイターたちは超個性的!! 

 続いては、スペイン企業11社がステージで短めのスピーチと、自社タイトルや商品などの映像を流し、それぞれ順番にピッチを行った(ペンタキル・スタジオ社は登壇はなし、映像の紹介のみ)。ユニークなゲームや商品、サービスが多く、またいかにも個性的なスペイン・ゲームクリエイターたちのクールで、かつ情熱的なスピーチの数々は、日本のゲーム業界関係者にもとても印象的に映ったことだろう。

 中には、Games.comでファイナリストに残った作品や、今回選出されたインディーゲームなどの作品とともに、中には、公立のゲーム系の学校(学生のが制作したゲーム映像)、独自のVR技術を用いた体感VR機器(触感ベスト)などもあり、 スペインゲーム業界のすそ野の広さや、技術力の高さ、オリジナリティなど、様々な魅力がしっかり伝わるラインナップ、と感じられた。

 

 また、ピッチに上がるとスイッチが入って情熱的に語りかける登壇者がいたり、スペインのゲーム業界のアツさが伝わってくるような雰囲気に、日本のゲーム関係者も思わず見入っていた。それに促されるように別フロアに用意された試遊・体験コーナーにも足を運ぶ方も多数いた。

 「スペインゲーム祭」でピッチを行ったスペイン企業11社(ペンタキル・スタジオは映像紹介のみ)は以下の通り。

スペインゲーム祭でピッチを行った企業リスト

スペイン企業名ピッチ登壇者名ピッチの内容(作品、商品など)
1Troglobytes Games
(トゥログロバイツ・ゲームズ)
Saverio Caporusso
(サベリオ・カポルソ)
SF横スクロールあアクションゲーム「Blind Fate -エドノヤミ」。
2Selectaplay
(セレクトプレイ)
Javier Puertas
(ハピエル・プエルタス)
Selecta Visionのゲームブランド「Selecta Play」。ゲームの販売・流通を行う。
3Pentakill Studios
(ペンタキル・スタジオ)
――
(当日の登壇者なし、映像のみ)
「The Occultist」(ザ・オクルティスト)。死後の世界と交流できるアランが主人公の一人称ホラーゲーム。
4Miru Studio(ミル・スタジオ) Manex Darceles
(マネックス・ダルセーレス)
VR AwardsのGame of the Year2022 ノミネート、革新的なハンドトラッキング技術を使ったVR機器「Finger Gun」
5Undercorders
(アンダーコーダーズ)
David Jaumandreu
(ダビッド・ジャウマンドレウ)
「KOA and the Five Pirates of Mara (コアとマラの5人の海賊)」。島々を巡り、海賊の財宝を探すアドベンチャーゲーム。
6 Vermila
(ベルミラ・スタジオ)
David Carrasco
(ダビッド・カラスコ)
「Crisol (クリソール)」。一人称アクション・アドベンチャーのホラーゲーム。ベルミラア・スタジオの1作目。
7CIFP César Manrique
(CIFP セサール・マンリケ)
Eliseo Martin Mora
(エリセオ・マルティン・モラ)
カナリア諸島初のゲームとアニメーションの公立学校「セサル・マンリケ・ハイスクール」の生徒たちが制作したゲームを紹介。
8OWOSheyna Garicano
(シェイナ・ガリカノ)
人間の触覚を再現する「触感ベスト」。CES 2022 イノベーションアワード受賞。
9TLR Games
(ティーエルア―ル・ゲームズ)
Arturo Monedero
(アルトゥーロ・モネデーロ)
4Kのリアル映像の中を探索する、物理ベースのパズルゲーム「IDEA」。アーティスティックなゲーム。
10Nexxyo Labs – Moonatic StudiosEneko Zubiaurre
(エネコ・スビアウレ)
2.5Dの横スクロールアドベンチャーゲーム「One Last Breath」。インディーゲーム選考出展選出。
11Super Mega Team
(スーパー・メガ・チーム)
Enrique Corts
(エンリケ・コルツ)
2D探索アドベンチャとカードゲームの要素を取り入れた「The Knight Witcch」。インディーゲーム選考出展選出。

 ピッチが進むにつれて、ドリンク・フードもふるまわれ、また会場には通訳の方々も配置されており、お酒の勢いも手伝って、スペインと日本のゲーム業界関係者たちの交流も大いに深まった様子だった。ここ数年は、コロナ禍でみんなで集まってワイワイ・ガヤガヤとゲームの話で盛り上がること自体が難しかっただけに、来場者たちの楽しそうな笑顔がとても印象的だった。

試遊・商談コーナーもありました!!

 メインステージがある会場以外に、別フロアに「試遊コーナー」が設けられた会場もあり、ピッチで紹介されたゲームが試遊ができたり(制作者と話ができたり)、VR機器を装着しての体験プレイが可能なスペースもあり、もはやミニ・スペインゲームショウ!! という雰囲気。また、こちらのフロア(別会場)にも通訳の方々がおり、メディアの取材や日本企業との商談等のサポートへの配慮もされているなど、スペインゲーム業界とスペイン大使館の本気度が垣間見れたイベントだったと言えそうだ。

中締めのあいさつはスクエニ時田氏!! 

 一夜にしてスペインと日本のゲーム関係者がアツく、楽しく、そして時に真面目に交流をしてきた夜が更けた頃、スクウェア・エニックスのプロデューサー 時田貴司氏の名前が紹介されると、歓声が起き、時田氏が壇上に登り、中締めのあいさつを行った。時田氏は別フロアでスペインゲームの数々を試遊したようで、プレイしたゲームの感想も述べつつ、日西のゲーム業界の交流が進み、ますます両国のゲーム産業が発展することを祈念し、今回のイベントを締めくった。

 また中締めの後も、多くのゲストが帰らず、会場には閉会時間を過ぎても、大勢の人たちが語り合っていた。そのため、主催者側が機転を利かして、残っている人たちの集合写真を撮って「お開き」とした様子だった。が、この時も多くの人が壇上に登らず、むしろ写真を撮る側に回っていたのも、印象的だった。

よく見ると、時田氏の横にイタリア人タレントのユリコ・タイガーさんの姿も…!! 

 Games from SPAIN の参加・出展企業には、東京ゲームショウの会場でも会えるので、「ぜひTGSでもお会いしましょう!」というアナウンスとともに日本とスペインのゲーム関係者が終結したスペインゲーム祭のアツい夜の宴はついに幕を下ろした。

スペインビジネス twitter

Games from SPAIN のオフィシャルサイト