【GAMEMO】今なら違うかも!? 海外移植でゲームから消されたアニメたち

GAMEMO,家庭用ゲーム

この記事は海外サイトnintendolifeこちらの記事を参考に書かれています。

今となっては日本の代表的な輸出産業となっていて、海外からも注目されているアニメですが、1980年代から90年代にかけては、まだまだ海外での認知度も低い時代でした。
そんな時代の中で海外に移植されたアニメ原作のゲームがどのように改変されて移植されたのかをまとめて紹介します。

孫悟空がただのカンフー少年に!
ドラゴンボール神龍の謎

1986年にバンダイから発売されたアクション・アドベンチャー「ドラゴンボール-神龍の謎-」。ドラゴンボールの主人公孫悟空を操作して敵を倒していき、ドラゴンボールを集めると願いを叶えてくれる神龍の謎に迫るという内容。

ドラゴンボールのTVゲーム第1弾ですが、難易度は子ども向けとは言い難いほど高いです。RPGなのに止まっているだけで減っていく体力やボスの出現条件が分かりづらかったり、体力回復がドロップアイテムだよりだったのも厳しかったです。結局、友人から借りてもクリアせずに返したソフトです。

北米では商標の係で「ドラゴンボール」が使えず「ドラゴンパワー」というカンフー少年が活躍するゲームになりました。集めるのも「ドラゴン」ボールではなく「クリスタル」ボールです。そして全年齢用にするために修正が入っており、亀仙人はブルマのパンティーじゃなくて手作りサンドイッチが大好きです。
ちなみにフランスでは普通に「ドラゴンボール」のゲームとして発売されています。

「あべし」も「ひでぶ」もない世紀末
北斗の拳

1986年にセガからセガマーク3で発売されたベルトアクションゲーム「北斗の拳」。原作のラオウ編までをゲーム化し、ボスは一定の手順で秘孔を突かないと勝てないという原作を活かしたゲームでした。

実はこのゲームはハンドルコントローラにも対応しており、ハンドルで左右、ギアでしゃがみとジャンプ、アクセルとブレーキはキックとパンチに割り振られていました。当時、とても偏差値の低かった我々は、このハンドルコントローラで「北斗の拳」をプレイしながら「なんかザブングルに乗ってるみたいだ!」とゲラゲラ笑っていました。

こちらの作品は北米では「ブラックベルト」というタイトルのカラテアクションゲームになりました。アニメの要素はすべて排除され、道中のザコを倒しても爆発しなくなりました。

さらにメがドライブから発売された「北斗の拳-世紀末救世主伝説-」も北米に移植され「ラストバトル-レジェンド オブ ファイナル ヒーロー-」とタイトルを変更され、内容もほとんど変更されました。具体的には登場キャラは全変更で血の色が緑色に変わっています。

ちなみにファミコンとゲームボーイの「北斗の拳」のソフトは、変更なく発売されていますので、セガだけの問題のようです。

翼くんじゃなくてロビンフィールドさん!?
キャプテン翼

ファミコン時代はRPG要素のあるサッカーゲームは大人気だったため、テクモは「キャプテン翼」を海外で発売するためにアニメの要素を排除しました。ゲームとしてはファミコン版の「キャプテン翼」と同じようにコマンド選択式のターン制バトルですが、キャラクターが差し替えられていて大空翼はロビンフィールドという名前のスーパーマンみたいな容姿に変わっています。「ロビンフィールド」は「コマドリの居場所」という意味ですから、名前はインスパイアされているかもしれませんね。

海外イメージ戦略の成果!
ゼルダの伝説-夢を見る島-

Nintendo Switchでリメイクされた方ではなく、こちらはゲームボーイ版です。任天堂は北米版の「ゼルダの伝説」シリーズについては、積極的にアニメ絵のパッケージを排除しようと取り組んでいると思われます。「ゼルダの伝説」「リンクの冒険」「ゼルダの伝説-神々のトライフォース-」なども剣と盾とロゴの組み合わせによるパッケージに変更されています。任天堂の発表会で、剣と盾のアートワークが表示されるだけで外国のプレスが大興奮するのは、そのアートワークのイメージが「ゼルダの伝説」シリーズに直結するからだと思われます。

なぜブランカをフューチャー!?
ストリートファイターII

80年代、90年代の日本のゲーム業界は、アートワークから「日本人」の見た目を消す努力をしていました。これはカプコンも同様で「ストリートファイターII」のパッケージは、「あきまん」こと安田朗氏による豪華なイラストでした。これがどういう判断がなされたのかは不明ですが、ブランカ対春麗の場面でリュウはすでに倒れているというイラストに変更されています。これは当時、海外でも「なんでわざわざ変えたのか!?」と話題になりました。

カプコンといえば
海外版「ロックマン」!

このような日本と海外の違いの話になるとかならず出るのが「ロックマン」の海外版「MEGAMAN」です。モチーフの選び方、デッサンの狂い方、配色のセンスなどなど、全部ひっくるめて「ヘタクソ」の一言でいい表せるパッケージです。

その後、シリーズを重ねるごとに下手さはそのままに、暑苦しさだけ増加していきます。
そしてこのヘタ暑苦しいパッケージは日本のスタッフにも見つかってしまい、ついには2008年に復活した「ロックマン9」のイメージイラストに採用されてしまいます。

「ロックマン9」は12年ぶりの「ロックマン」シリーズのため、コンセプトとして「原点回帰」を謳っていました。そこで日米共同で採用していたイラストも原点回帰ということで、当時の勘違いも甚だしいイラストに戻されました。
このイラストが発表されるとこさんロックマンファンは大爆笑。「ロックマンじゃないMEGAMANが帰ってきた!」とはしゃぎました。そして発売されたゲームも好評で、昔ながらの親切さと理不尽さが同居した「ロックマン」を楽しみました。

この他にも元の記事では「らんま1/2-町内激闘編-」や「エリア88」、「重装機兵ヴァルケン」などがどのように海外でパッケージを変更されたのかなどが取り上げられています。
中でも最後に紹介されている「ファランクス」の海外版パッケージはびっくりしますよ。

元記事:Feature: No Anime Please, We’re Westerners – When Anime Was Taboo In Western Games

by GAMEMO編集部


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